俺は身長が高い方。それがテニスに活かせるのは、すごく嬉しい。でも、そのおかげで好きな人と身長差が結構ある。気にするほど、差があるわけじゃないんだけど・・・。なんとなく。
学年も1つしか違わないのに、気にしてしまう。だって、やっぱり同じクラスになって・・・、席が隣になって・・・とか、そういうことを期待したいし。
あ〜ぁ、俺って重症だなぁ・・・。なんて、考え事をしていたら、前にいた人にぶつかってしまった。

「す、すみません。」

俺も背が高いっていうのに、なんで上を見ながら、考え事をしてたんだろう。そんなことしてるから、前の人にも気付かないで・・・。
・・・・・・ん?この身長差は・・・。俺の大好きな・・・。

「し、宍戸さん?!」

「あぁ?」

声が違う。むしろ、髪も違う。・・・宍戸さんは、綺麗な黒だ。でも、前の人は茶色。だけど、強気な返答が宍戸さんに似てなくも・・・。
いや、コイツはどこかで見覚えが・・・。

「何、ボサッとしてんだよ?俺が宍戸先輩に見えるか?」

「なんだ・・・。日吉か・・・・・・。」

「勝手に勘違いして、勝手にショック受けてんじゃねぇよ。」

同い年で、同じテニス部の日吉だ。・・・日吉と宍戸さんを間違えるなんて。俺、相当ヤバイなぁ。
でも、この身長差は、間違いなく宍戸さんと一緒。・・・・・・・・・ってことは・・・?

「日吉。身長、何センチ?」

「何だよ、突然。」

「いいから。何センチ?」

「答える義理は無いだろ。」

「いいから、教えてよ。俺にとっては、大問題なんだ。」

「相変わらず、訳わかんねぇな・・・。まぁ、いい。172cmだ。」

「やっぱり!!」

日吉は、始終怪訝な顔をしていたけど、そんなことはお構いなしに、俺はテンションが上がってきた。正直、ちょっと羨ましいなぁ、なんて気持ちもあるけど、でも、宍戸さんと同じ体型だったら・・・。
俺の考えは止まらなくて、更に質問を続けた。

「ねぇ、体重は?」

「は?どうだっていいだろ・・・。」

「いいから、答えてよ。何、言えない体重なわけ?」

「そうじゃねぇよ。・・・仕方が無い。・・・60だ。」

すごい・・・!!宍戸さんと全く同じだ!!やっぱり、羨ましい。・・・でも、俺はそれよりも、目の前の宍戸さんと同じ体型の人物に、抱きつきたくなった。と言うか、抱きついてやった。
だって、宍戸さんに、こんなことして、怒られて嫌われたら困るけど、日吉なら、どうでもいいし♪

「な、何すんだよ?!」

「だって、宍戸さんと同じ体型だから。」

「意味わかんねぇよ!離せ!!俺に、そういう趣味はない!!」

「あ〜、宍戸さんと同じ〜・・・♪」

「気持ち悪い声、出してんじゃねぇよ!!離せ!!」

なんか、こういうことに嫌がる態度も、宍戸さんに似てるよなぁ・・・とか思ってたら、日吉のことが、ちょっとだけ良い奴に見えてきた。

「日吉?!鳳くん?!何してんの・・・?」

・・・!!」

あ。そういえば、日吉って彼女いたんだっけ。ゴメン、日吉。忘れてた。
彼女を見た瞬間、日吉が全力で、俺から離れた。・・・ちぇっ。もうちょっと、宍戸さんと同じ感触を味わいたかったのに。

「仲いいんだね。」

「違う!コイツが訳のわからないことを・・・。」

「ゴメンね、さん。俺の憧れの人と日吉が、あまりに同じ体型だったから。」

「そうなの?・・・じゃ、私もその人に抱きついてみようかなー?」

「そ、それは、ちょっと・・・。」 「やめておけ。」

「ん?どうして?」

「変な奴に思われるに決まってるだろ。くだらないこと言ってないで、行くぞ、。・・・それと、鳳。あとで、覚えてろ。」

日吉はさんの手を引っ張って、教室に帰って行った。
・・・そうだな。さんの言葉で気付いたけど、俺だって日吉と同じ体型だからって、さんが宍戸さんに抱きついたら、許せないもんな。

俺はその後、ちゃんと反省したっていうのに、部活中、日吉とラリーしてたら、容赦ないボールがいっぱい来た。・・・相当、怒ってるみたい。

「宍戸さ〜ん・・・!日吉が何か、機嫌悪いんです・・・。」

そう言いながら、宍戸さんに泣きついた・・・と言うか、抱きついたら、意外にも宍戸さんは、俺を受け入れてくれた。

「長太郎。お前、若に何かしたんじゃねぇのか?」

「・・・・・・しました・・・。」

「じゃ、お前が悪ぃよ。」

宍戸さんは俺の頭をペシッと叩いた。・・・でも、抱きついた俺を振り払いはしないんだって思ったら、すごく嬉しくなった。

「すみません・・・。」

「俺じゃなくて、若に謝って来い。・・・いいな?」

そう言った宍戸さんは、まるで子供をあやすように、抱きついたままの俺の背中をポンポンと叩いた。・・・やっぱり、宍戸さんが大好きだ。

「わかりました!」

俺が日吉に謝りに行くと、機嫌の良すぎる俺を見て、余計に日吉が怒った。・・・何だよ、謝ったのに。
やっぱり、日吉は宍戸さんとは違う!・・・当たり前だけど。
あと、抱きついた感覚も違った。宍戸さんの方が優しいし、暖かいし、落ち着くし。俺は、宍戸さんが好きなんだって思った。
・・・って、そんな気持ちが顔に出てるから、余計に腹が立つと日吉に、すごく怒られた。やっぱり、日吉は、良い奴じゃない。













 

まさかのCPです!というのも、訳があるんですよ・・・。
私、基本的に鳳×宍という考えです。むしろ、アニメとかでも公式化されちゃってるような気がしますし・・・。まぁ、それが前提としてあるわけなんですが。
とにかく、私は、ある日、初めて宍戸夢を読みました。長太郎には悪いけど、という気も少しありました(笑)。
でも、宍戸夢も良くて、「宍戸さんもアリだなぁ」とか思って、その日は寝ました。
すると・・・!!翌日、風邪など滅多にひかない私が熱を出しまして・・・!!もう、これは長太郎の黒魔術だと思い、それ以来、宍戸夢を読んだら、鳳夢も読むという習慣がしばらくの間、続いていました。
というわけで、宍戸夢「Be got」を書いたあと、数週間後にこの話を書いたわけです!魔除け(?)として!!

まぁ、最近では宍戸夢も、普通に読んでるんですがね(笑)。だって、その日、熱が出たのは、たぶん、夜遅くまでパソコンをして、宍戸夢なんて読みふけっていたからだと思いますし。
でも、一応、自分で書いた宍戸夢は、何か言い訳できない気がして・・・。1度、書いてみたかった宍戸さんと日吉の体型について、書いてみました♪